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紅蓮の月~ゆめや~
第12章 第三話 【流星】 エピローグ
大切なのは、この小さな町の片隅に「ゆめや」が今も変わらずあったこと、美都が不思議な力に吸い寄せられるようにしてこの店に来て、一枚の着物にめぐり逢ったことだった。
まさに、奇跡のような偶然である。
もしかしたら、あの着物が見せたひとときの夢は本当に奇跡なのかもしれない。時空をも越えた、儚い幻夢のような奇跡だ。
女主人が艶めいた微笑を浮かべた。
「お幸せをお祈り致しております。されど、もし、万が一、日々の暮らしに倦むようなことがあれば、ここにおいでなさいませ。一刻の夢をお見せ致しましょう。いつでも、また、お越しをお待ち致しておりますよ」
女主人の言葉が終わるか終わらない中に、美都の背後で「ゆめや」のガラス戸が軋みながら音を立てて閉まった。
(第三話 了)
☆ ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
いよいよ明日から最終話です。
あと少し、よろしくお願いします。☆
まさに、奇跡のような偶然である。
もしかしたら、あの着物が見せたひとときの夢は本当に奇跡なのかもしれない。時空をも越えた、儚い幻夢のような奇跡だ。
女主人が艶めいた微笑を浮かべた。
「お幸せをお祈り致しております。されど、もし、万が一、日々の暮らしに倦むようなことがあれば、ここにおいでなさいませ。一刻の夢をお見せ致しましょう。いつでも、また、お越しをお待ち致しておりますよ」
女主人の言葉が終わるか終わらない中に、美都の背後で「ゆめや」のガラス戸が軋みながら音を立てて閉まった。
(第三話 了)
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