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ブルジョアの愛人
第12章 初夏の蕾
脱衣所でも、翔太は真緒にべったりである。先程までは優々にも話しかけてくれていたのに、今はもうそれがない。
だが優々はそんなことに気を留める余裕もなく、真緒の下着姿にただ目を奪われていた。
平たい胸にスポーツブラ、そして下は水色のショーツ。健康的に日焼けした褐色の細いうなじや手足は言うまでもない、しかし普段はボーイッシュな服に包まれ露出することのない胸元や腹の白さもまた美しかった。
はしゃぐ翔太に邪魔をされて脱ぐに脱げない様子である。下着姿も良いが、やはり慎ましやかな胸なども見てみたい。しかし女の子をそんな目でしまう自分への嫌悪もあった。
先日初めて「オナニー」という単語を知った優々は、勇気を出してレディースコミックを買ってみたのだが、買った後でやはり後悔した。
小学生なのにこんなものに手を出してしまった甘い背徳感より、穢れてゆく自分への恐怖のようなものの方が強くなってしまったのだ。
性に未熟な優々からしてみれば、性描写のあるレディコミは充分「エロ本」に分類される。捨ててしまおうかとも思ったのだが、こんなものを持っていることがバレるのが怖くて今も布団の下に隠してある。
しかし、身体――特に敏感な部分が疼く夜は、それをこっそり見ながらショーツに指を這わせ、イクことも知らずただ熱がおさまるのを待つのであった。