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ブルジョアの愛人
第19章 絆創膏をくれた人
その刑事は急かさず、樹里の嗚咽が止むまで辛抱強く待った。彼女は全て吐いて罪を償うまでの準備をしているように思えたのだ。
そしてひとしきり泣いたあと、樹里はぽつりぽつりと語り始めた。出会い系サイトで飯尾と知り合ってから、先週の木曜日に何があったかまで。
途中で、多少順番が前後したり、抜けた部分を後で補足したりするから分かりにくい部分はあったが、そこは刑事が丁寧に訊き直した。
飯尾と逢ったのは三回。三回目が木曜日のそれだった。いつものように飯尾が近くまで迎えに来て、飯尾のアパートへ向かった。
樹里は、すぐに飯尾の方から飽きて連絡しなくなるだろうと思っていた。しかし飯尾は頻繁には逢わないものの、関係を終わらせてくれそうな気配はない。
実は初めて犯された日、飯尾に写真を撮られたのだ。大きく股を拡げたもの、舌の上に精液を載せて顔をアップで写したもの、自分で指を挿れているものなど。
どんな写真かはさすがに伏せたが、飯尾の携帯の履歴を消していなかったため、既に見られていることは分かっていた。