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ブルジョアの愛人
第21章 友達のままで
十六時に入り口近くの噴水で待ち合わせ。それだけ決めると、あとは別行動となった。何かあったら真緒と叔父が連絡を取ることになっている。
「ねえねえ、どこから行く?」
甘いキャラメルポップコーンの香りに、優々も真緒も興奮した。楽しげな音楽が流れ、仮装した人達が行き交っている。完全に非日常の空間だった。
「取り敢えず並んでから考えようよ」
そうして、空いているところに一旦並び、それから地図を拡げて二人であれこれ言い合った。
人気のアトラクションでも、ファストパス待ちで三十分以上並ばなければいけないところは次々とパスしていき、十五時半までに四つのアトラクションに乗った。
「人気のやつにこだわってたら多分こんなに乗れなかったよね」
風で後ろに流された前髪を整えながら真緒は呟く。
「空いてるところも面白かったし、取り敢えず並んで良かったよね」
時間が中途半端だったので、時間までピザのお店で食事をすることにした。
「あっ、叔父さんからいっぱいLINE来てる! どうしよう…」
席でスマホを見た真緒が困っていたので画面を覗く。
だがLINEを開くと、全てリア充をアピールする2ショットの写真つきの実況だった。真緒がついた溜め息には、安堵と呆れたような色が見えた。