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ブルジョアの愛人
第3章 二人の少女
顔を真っ赤にしている莉菜を見て、大塚は困ったような表情を浮かべた。
「無理すると膝の裏の筋切れちゃうから」
諭す大塚を一瞥し、莉菜は諦めて上半身を起こした。莉菜の目は、大塚の背筋を震わせる程に冷たかった。
小学生らしくない、全てを見透かす冷めた大人のような眼差し。大塚を毛嫌いする莉菜の気持ちが滲み出たのだろう。それは、浩晃を見る時の樹里の視線にひどく似ていた。
次に莉菜が仰向けに寝転がり、脚を真上に上げる。そして莉菜の脚を、大塚が横や前後に倒す。腹筋を鍛える運動だ。
莉菜は少し辛そうに顔を歪め、腹や脚を小刻みに震わせながら床に脚をつけまいと踏ん張る。
大して力を入れていないんだけどな、と困りながら、大塚も緩やかに莉菜の脚を前後左右に倒す。