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ブルジョアの愛人
第4章 大好きな先生
真緒や陽平のクラスの方が帰りの会が終わったのが早く、体育館に着くと二人はすぐ莉菜に気づいた。
「久しぶり、でもないか。最近なかなか話せないから久しぶりな気がするなぁ」
真緒は綺麗に結ったポニーテールを揺らして駆け寄って来ると、莉菜の手を取って無邪気に笑った。
陽平は真緒のようにはしゃぐでもなく、少し照れくさそうに「よぉ」と言ったきり、黙っている。
「あれ? 青山さんって莉菜と同じクラスだったんだ」
真緒は莉菜の隣に立つ樹里に気付き、親しげに微笑みかける。しかし当の樹里はそっぽを向いたままなので、莉菜が慌てて答えようとした。
「そうなの、あのね…」
「莉菜ちゃんとは仲良くさせてもらってます。よろしくね」
焦る莉菜を横目に、樹里は慇懃無礼を絵に描いたような様子で答えた。真緒は一瞬表情に嫌悪を滲ませたものの、すぐに愛想笑いを取り戻した。
「よろしくね、青山さん」