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ブルジョアの愛人
第7章 花はここに
そうこうしているうちに駐車場に着き、浩晃は心を決めた。
彼女が望むなら、壊れるまで抱こう。
不幸な境遇の彼女の力になりたい。親に与えられなかった愛を与えてあげたい。そして、少女の若い肌を味わいたい。どうせ動機はただのエゴだ。だが、それで莉菜の心が満たされるのから、傷つかないのなら良いではないか。
浩晃にもう恐れるものはなかった。迷わず車から降りてエントランスへ向かうが、ふと気づいて振り返る。
「どうかした?」
車の窓ガラス越しに声を掛けても莉菜は反応しない。助手席のシートでまたうずくまってしまったのだ。
恐る恐るドアを開けると、莉菜も顔を覆う手を取った。相当泣いたせいで腫れた目も、浩晃にはいとおしく映る。
迷っていたのは莉菜の方だった。焦点の合わない目が心の内を無言で伝えているが、何を迷っているのかまでは教えてくれなかった。こんな時まで蠱惑的だと思ったが、彼女にはそんなどうでもいい冗談に笑う余裕はなさそうだ。