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自由という欠落
第8章 痛みと親愛
「突然お邪魔してしまい、申し訳ありません。初めまして、野田さん」
のはなは部屋に進み入るや、まひると野田の格好には特に何か言及することもなく、形式的な態度で一礼した。続けざまに自己紹介をして、この場所を特定した経緯をざっと説明した。
西原の様子を訝しんだのはなは、詰問に応じない婚約者の代わりに、彼の部下に連絡をとって、ここ数日の彼の動向から状況を判断したのだという。
「私の婚約者がしつこくお話しを持ちかけていたようで、その件に関しましても、重ねてお詫び申し上げます。ただ、こんな接待でしたら、私が謹んでお引き受けしたのに……」
「のはな……?」
「野田さんの会社には、お世話になっているようですね。いずれ私は西原の人間になる身ですから、今夜はお礼させて下さい」
のはなはコートを脱ぎ捨てた。下半身を露出した西原の足許に膝をついて、獰猛に滾った肉棒に慈悲深い目を注いだあと、躊躇いもしないで手を伸ばす。のはなは、まるで慣れた作業にでも入った具合に、西原のペニスをしごきにかかった。
「ああっ……うく……おおお……!」
「私じゃお気に召しませんか」
「いや、最高だ……良い……良いぞぉ……」
「のはなやめて、貴女には関係ない」
「ううん、まひる。私はこういうことに慣れているから。今更、何人を相手にしたって同じだから」