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自由という欠落
第10章 貴女という補い
「はぁぁ……やっと可愛いはなちゃんだぁ……。って、ふりふり着てるから可愛いというのは違って、元から可愛いから、もっと目の保養になるっていうか」
「有り難う。はるちゃんが来てくれて、寒くなくなったわ」
「あ、手当てしないとね。えっと、どうしよう……優先順位、ある?どこが一番痛い?」
「それなら大丈夫。いつものことだし、大した怪我もなくて……」
秘部の割れ目が酷く痛む、とは言えない。心陽が帰ったあとにでも、処置はインターネットで検索しても遅くない。
のはなと心陽をとりまく空気はぎこちなかった。
心陽の赤心に偽りはない。一年近く交流してきて分かった。彼女は世辞を並べるタイプでもない。
みっともない姿を見せた。のはなが一縷の希望に賭けて、望んだ救出劇なのに、いざ助かると、やはり人間とは贅沢になる。あんな姿を見せたくなかった。
心陽は、本気でのはなを可愛いなどと口走っているのか。のはなの部屋をのはなにだから似合う、そして華やかな洋服も、本当に相応しいとでも思っているのか。裸体になって、他人の所有物として喘いでいるだけの家畜だとは思わないのか。
「今まで有り難う、はるちゃん」
「どうしたの、改まって。あ、遠慮なら、本当にしないでね。それかお腹空いてる?喉渇いた?どれくらい監禁されてたの?」
「…………」