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自由という欠落
第10章 貴女という補い
耳朶の裏から首筋、鎖骨へ、紬の唇が啄んでいく。除いたパニエのまとわりつく太ももを、紬の右手が撫で回していた。
まひるは右手を彷徨わせて、紬の左手を探り当てた。指の隙間に自分のそれを埋めていく。どうしたの、と、紬はいたずらな妹に諧謔を寄越す具合の笑みをこぼして、指で指を撫でる仕草を返してきた。
特別に弱い部分が刺戟を受けているわけでもないのに、こうも泉門をくすぐられるのと同等の快楽を得たことがあったろうか。
みっともないほど声を上げたい。腰がひくつくのを堪える内に、堪え難い快楽に涙さえこぼれそうになる。
「んっっあっ!あん……好き……──先輩っ、上手い……ぃ……」
「まひるちゃんが感じやすすぎるんだよ。私より素敵な人はいた?私より深い仲になった人はいた?」
「ううっ、ん……紬先輩だけ…………誰と、何度、こんなことしてても……身体じゃ愛情は、測れなかっ、た……」
「うん。だったら良い。悔しいけど仕方ないもん。嫉妬はしない。大好きよ、まひるちゃん」
ちゅっ、くちゅくちゅ、と、紬がまひるの乳房の最も尖った頂に、唾液を浴びせる。じんじんと疼く先端の麓を往来する紬の指先。
「肌、すべすべ……若いからとかじゃ、ないよ。一歳違いでこんなに差、あるはずないもの」
「隣の芝生は何とかっていう、やつです。はぁっ、……ああっ。……紬先輩……どうしよ、気持ちいい……」
「ふふっ、さっきからすごーくエッチな顔してるもんね。まひるちゃん、息荒い。ね、もっと…………見せて?」
一糸まとわぬ姿になれば、シーツまで汚してしまいかねない。
たゆたいながら、まひるは紬と今日何度目かのキスのあと、パンティを脱ぎ捨てた。煩わしいパニエを畳へ追いやる。