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自由という欠落
第10章 貴女という補い
くちゅっ、ちゅる……と、まひるは紬の乳首を舌先に転がしながら、たゆたいがちに顫える下半身に呼び水を広げていった。紬の細まる目を見上げて、おりふし、半開きになった唇にキスを重ねる。彼女の唾液を啜った分、自分のそれを彼女に注ぐ。
パンティを下ろすと、まひるの時ほどのしとりは見られなかった所以、ミルクに溶かした胡桃の匂いを放散している赤い肉薔薇に顔を近づけた。そんなとこ見ないで、と、紬が喘ぐような声でまひるを咎めた。その言葉が終えるより先に、あぁん、と、いっそう高らかな声が上がった。
ぢゅる……くちゅ……じゅるる…………
紬の味が、口内を満たしていく。とろりとした無色透明の酸性は、まるで昔から知っていたようにまひるの唾液にすっと馴染んで、甘いような舌触りになる。まひるは紬の膣口に唾液を塗りつけて、せっかく這い出ている愛液を啜り尽くしてしまわないよう気をつけながら、茂みをかき分けた中の陰核を舌先でつついて、肉襞に沿って弧を描くようにしゃぶっていく。
「あん!いやっ……恥ずかし…………あぁんっ……」
「さっきさんざん恥ずかしい思いさせたのは、紬先輩の方ですよ?」
「私も、まひるちゃんの……舐めとけば良かっ…………あんっ」
溢れ出すほど愛おしい。美しい。
側から見れば、紬もまひるも月並みだ。それでも、まひるから見る紬は特別だ。神秘的な、崇高な光さえ溢れている。
夢ではないか、と、未だに懐疑する。次の瞬間にも目が覚めて、枕のしとりに顔をしかめながら、自分の夢見がちな部分に苦笑するのではなかろうか。
「紬先輩の味、好きです……。指に変えるの、イヤになってきちゃいました……」
「まひるちゃん、も、結構いやらしい……っ、よね……──ふふっ、……ん!」
さっきよりは滑りやすくなった紬の秘境は、まひるにとって、それでも内側まで触れていくのには抵抗がある。紬とてどこまでを望んでいるか、分からない。まひるが彼女を余すことなく知りたいだけで、紬はここでやめておきたいかも知れない。ふっと、そうした思いがよぎった。