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自由という欠落
第10章 貴女という補い
夜が薄れるまで、眠りになどつかないで、紬と初々しいじゃれ合いに耽りたい。
まひるが紬にキスをねだると、くれないの、と、おどけたメゾが降ってきた。
「やっぱり、先輩に痛いことする気になれないです」
「処女じゃないし、平気だよ。二度目でもない」
「っ……」
「覚えてないほど挿れられて、そこにいた全員に、拡張されたの。お陰で快楽とかいう概念、鈍っちゃったけど。後ろの穴も」
「…………」
「汚い話して、ごめんね」
しかし紬の脚と脚の間の小径は、異物の侵入に頑なだった。
まひるが浅瀬に指を入れると、濡れた粘膜は強張った具合に道をすぼめて、紬から緊張の声がこぼれた。彼女自身の肉体が、あるじの意図とは別のところで、警戒している。まひるは紬に口づけて、痛みを問う。首を横に振る彼女の力みをやわらげようと、深いキスを続けながら、片手を握って指を撫でた。
「んっ……あっ、はぁ……はぁ……」
痛みも恐怖も、紬に与えたくないのに。
「ふっ……ああっ!!」
熟れた肉襞をひと思いに貫いた。紬は痛みを訴えない。まひるは、やはりこのひとときを永遠の中にとりこめんと、紬の中で指を動かす。しっとりとした肉叢にキスを散らして、どれだけ言葉にしても足りない想いをささめく。なるべく長く、紬と一つになっていたい。なるべく甘く、紬と繋がっていたい。