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自由という欠落
第3章 選べない貴女
「ンッ……はぁ、……はぁ……」
「山本さんのいやらしい息、好きです。こういうことするために、会ってくれてるんですもんね」
「ゃっ、……」
「許可なんて、今更いりませんよね」
天使の似姿を気取った少女が、陽子のカットソーをはだけにかかる。その繊手に従って、否、自ずと望んで、陽子は両腕を上げて下着だけの姿になる。
ちゅ……
てろ……
ちゅぅぅぅ……
蜂蜜に砂糖を溶かしたような声を奏でるまひるの唇が、陽子の首筋を啄んでいく。意志を持たない楽器よろしく、陽子の喉が悲鳴を上げる。
まひるは、陽子の膝を挟んでベッドに膝をついていた。重心の抜けた陽子の背中がシーツの波に溺れて、野性に憑かれた脚が開く。
二人がベッドを共にするようになったのは、出会い系サイトがきっかけだった。遡ること三年弱前。陽子はそれまでのまひるを知らない。それでいて、それまでの彼女も知っていた。
出逢う以前のまひるは模範的な少女だった。それが道徳的かは知らないが、少なくとも行きずりの人間と性的な関係を持ったりするところは想像出来ない、見た目通りの天使だった。それが道徳的かは知らないが。