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自由という欠落
第3章 選べない貴女
「ああっ……あんっ!イイっ……すっごく……そこぉ……っっ」
まひるは陽子を褒めないにしては、肉体はくまなく吟味する。インナーを外した陽子の乳房は先端を赤く尖らせて、パンティを脱いだ下半身は女の匂いを満たしている。陽子の声に巻きつく水音は、愛液か、それを掻き出す唾液か。腰の奥が顫えていた。マグマのような興奮が、異物を悲痛に呼んでいる。ここに挿れて。
くりゅ……つん、つん……
ちゅく…………
「あっあっ……あ!あぁぁ……あ……」
「どこが、良いんですか?」
「はぁ、ここ、あっ、クリちゃん……私のクリちゃん……!」
「ふぅん?」
「胸も、好きぃ……耳も、胸も、お腹も、どこも全部気持ち良いのぉ……!」
触れられることを望むのと、自ら肉体をひけらかしたいのとは全く違う。陽子は、自分の肉体に特別な美や官能を感じる性質ではない。それでいて触れられることにたとしえない固執がある。まひるもおそらく。
感覚、感情と共に羞恥まで手離した陽子の脚と脚の間を攪拌したまひるの指が抜け出ると、久しく二つの個体同士になった身体と身体は、名残惜しげに腕や脚を絡ませた。長くくすんだ桜色の髪が、陽子の肌に紅を刷く。作り物のように可憐な少女の微笑みが、充足を得た陽子に複雑なものを注ぎ込む。
「まひるちゃん」
「何ですか」
天衣無縫な少女は、笑って抱き締めるとつられたように息をこぼした。
「濡れてるでしょ」
羞恥をなくした女の揶揄に、無垢な少女も慎みない。