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貴女に溺れて彷徨う
第3章 不自由への憧憬
「ふぅん。私、今は莉世さんが一番憧れ」
「えっ……?!」
「今日のはシークレットハニーの、眠り姫柄?こう見えて学校でちょっとは友達から教えてもらってるんだ。でも街やテレビで見る人達より、雑誌で見るモデルさんより、私は莉世さんの着こなしが好きだし、キラキラしてる」
さらっと普段着に袖を通してきただけで、大袈裟な褒め言葉を受けることはよくある。それでも小学生という打算や社交辞令を心得る前の年端の少女からのそうした言葉は、慣れていない。
「あゆみちゃんには、もっと良いお手本が見つかるよ」
「そう?」
「勉強落ち着いたら、自分で雑誌見たりね。でもロリィタ着る時は、コーデさせて。ピンク系?甘ロリ?」
「もちろん!あ、髪やお化粧もお願い出来る?」
「当然じゃん。あゆみちゃん可愛いから、やり甲斐あるよ」
あゆみの俯きがちにはにかむ顔が、やはりみなぎに重なった。