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貴女に溺れて彷徨う
第3章 不自由への憧憬


「んっ、んぅ……」


 唾液のじゃれ合う釁隙から、ちゅくちゅくと音がこぼれ立つ。いじらしく動く響の舌を撫でてつついて、その唇を吸い上げて、彼女が同じようなキスを返してくると、あたしはまたくすんだ赤い生き物に、自分のそれを絡めつける。


「ぁっ……ハァぁ──…」


 切なげに声を細める響の喉にキスを移して、首筋をしゃぶる。耳朶を食んで頬を撫でて、おとがいに触れるだけのキスをする。


「嫌がってって、言ったのに。響さんにとって、あたしはクズにしかなれないよ」

「良い……──後腐れは、残さ、ない……んんっ……」

「お人好しなんだから。響さんとお別れした子達、ほんともったいないことしたとしか思えない」


 あたしの指先の下で、彼女の太ももががくがくとすぼんで顫えていた。その内側に片手を滑らせる。ひんっ、と、彼女の背中が弾かれるようにして仰け反った。


「ショーツ、脱いで」

「莉世さんぅ……」

「響さんの可愛くていやらしいここ、ちゃんと見せて」


 羞恥を訴えながら、響はあたしに従った。野生的な女の匂いが濃さを増す。咽せるような匂いに引き寄せられるようにして、あたしは恥丘に口づけて、割れ目を舐める。


「あァンッ!」


 じゅく……くちゅ…………


 クリトリスを舌先で撫でて、這い出す愛液を啜り上げて、内股の手触りを確かめていた指をふくらはぎに移していく。


「ァンッ……あぁぁんっ…………」

「響さん、ほんと声、可愛いよね。デキるお姉さんって感じなのに、ギャップに胸キュン」

「はぁっ、ぁっ……なんか、私だけ余裕なくしてない……?!」

「感じやすい証拠じゃない。犯し甲斐ある♡」
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