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貴女に溺れて彷徨う
第3章 不自由への憧憬
赤と黒の入り組んだ迷宮の窪みの口に指の腹を押しつけて、触れるか触れないかくらいの力加減でクレバスをなぞる。
「そんな可愛くっ、いやらしいこと言わないでぇ……ァンッ……」
「だって響さんのここ、もうぐしょぐしょ。可愛いのは響さんだよ。一晩眺めていようかな」
「触って……くれないの……?奥まで……」
「どうしよっかなー……」
ちゃぷ…………
親指に陰毛をもてあそびながら、中指の第一関節まで沈めて僅かに動かす。
視線を上げると、ため息にも似た喘ぎをこぼす響と目が合った。
「もっと、咥えたい……」
「これじゃ足りない?パートナーさんとじゃ、キスもしないくらいのお嬢様が」
「知ってる、くせにぃ……っ、ん──貴女となら、深いキスも大好物なのに……」
嬌音に紛れた響の言葉を集約すれば、いじらしいことこの上ない。身を包むものを失くしても、開放的になれないところも、あたしのツボを刺戟する。
「あたしが響さんのこと気に入っても、知らないから……」
とろとろの小径を貫いた。指を根本まで沈めると、くねくねと撓る響の腰が、いっそう悩ましげに踊る。品のある愛らしい声は濡れきって、湯上がりの肌はそれだけが上気の原因でないほど、馨しい薔薇色を蒔いている。