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貴女に溺れて彷徨う
第4章 変わらず捕まえていられたら
レジ締めも店の片付けも、結局、私一人で済ませた。それは構わない。大雅はよその仕事から戻ったばかりで、今日の番は私だからだ。
それならそれで、売り上げを確認するだけなら家でも出来たじゃないかと思う。早い話が、わざわざ不毛なぼやきに来るな。
あゆみの成績が伸び悩んでいた頃も、そうだった。責任を負うべきは私で、きっと今は、私が店を傾かせていることにでもなっている。
もし一緒にいられたのが莉世だったら、こんな時でも楽しかったんじゃないか。想像せずにはいられない。あまり考えることを好かない彼女は、きっと私の方がネガティブだから、くよくよする私を叱咤しても、明日からまた頑張ろうと言って笑ってくれる。
第4章 変わらず捕まえていられたら──完──