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貴女に溺れて彷徨う
第5章 見返りという甘い汁


 みなぎと大雅は、響に雇われることになった。

 二人の養子を育てながら家業を手伝ってきた響は、新たに古着屋事業を任されることになった。女子を客層に狙った、ロリィタやガーリーブランドを扱う店らしく、装飾性の高い洋服を始めとするアイテムをより優良に処理出来る職人を探していたところに、先月の優香との会話に出くわしたのだ。

 響がみなぎに話を持ちかけたあとは、早かった。みなぎをなるべく刺激しないよう慮ってか、響が頼み込むていで依頼したのも功を奏したのだと思う。従業員らも順調に集まって、今日の打最終確認が終われば、来週いよいよ起動する。


「大瀬さんのお買いつけになってきたお洋服。試しにアイロンがけまでやってみました。いかがでしょうか?」

「すごい!パリッとしていて、だからと言って糊が効きすぎているということもなくて……首元まで真っ白です。あの、発注した洗剤をお使いになったんですよね?」

「ええ、あと、それだけではあのシミは落ちませんでしたから、家にあるちょっとしたものを少し。そちらも次回から経費で落として構いませんか」

「もちろんです。とても助かります」


 響にも大分打ち解けた様子のみなぎは、あゆみの話題も出していた。店舗の方は娘が喜びそうだと言うみなぎに、響はプレオープンに招待したいと提案している。
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