この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第5章 見返りという甘い汁


「本当に良かった。響さんも喜んでるし、優香は店がなくて困るだろうけど、また連絡してやって。ってか、あたしもみなぎの今の連絡先まだ聞いてない」

「そのことなんだけど、莉世……」



 …──もう会えない。



 みなぎのその一言に、あたしは自分の耳を疑った。

 何度も考えることはあった。まだ見ぬ本当の運命が、この想いをみなぎから遠ざけているのかと。

 けれど今日またみなぎに会って、彼女の所作の一つ一つに、素朴な声に、俯きがちな表情に、視線の動きに、彼女に備わるあらゆるものに、あたしは恋い焦がれているのだと確信が持てた。実らないなら目を閉じ耳を塞いだ方がましだ、などとは思えない。みなぎがあたしのものにならないなら、いっそこの想いは消えたことにして、あの配偶者より長生きして、せめて彼女の腹心の友人として、事実の上では誰より近くで添い遂げたい。


「じゃあ、みなぎが新しい生活に慣れるまで、もう少し待ってる」

「ううん。きっと、気持ちの整理がつくことはないから……」

「そんなに忙しい?自営と違って連休だってしっかりあるし、最初は大変でもいつか落ち着くよ」

「そうじゃなくて……っ」


 あゆみのために、響の話は引き受けた。それだけのことで、仮に大雅を見限ったとしても、それとあたしの告白とは関係ない。

 それがみなぎの言い分だった。
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ