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第5章 見返りという甘い汁

　ヒクンッ、ヒクンッ……とたわむ腰に指を這わせて、白粉を刷いたようにきめこまやかな鎖骨にキスしてしゃぶる片手間に、あたしはバスタオルの端を咥えて、響の裸体を露出させた。あたしと同じ格好で浴室を出てきた彼女は、もちろん下着もつけていない。ぷっくりと劣情を集わせた乳輪の先端を口に含んで舌先で皺を深めながら、さっきまでちょっかいをかけていた内股より更に付け根、脚と脚の間に指を伸ばすと、じかに湧き立つ泉に至った。


　くちゅ……くちゅっ、ぺちょ…………


　猥褻な音をわざと立てて響の浅瀬をいじりながら、心音に近い方の胸にも食らいつく。


「アァンッ……──あっあッ、ああァッ……っっ！ダメッ、そこ、待っ──…」

「待ってても他が悪戯されるだけだよ。こことか」

「ひぃんッ！りっ、莉世さんっ、いやらしすぎるわッ……ァンッ！……」

「それは、いやらしいことしてるもん」


　恥丘と割れ目の境に聳える豆粒を指の腹でこすりながら、しなやかな肢体の胸部を飾る白い肉の谷間に頬をうずめて、薄肉の張った心窩部にも舌を伸ばして響を味わう。


「響さんのこと、あたしほとんど知らないんだよ。楽しい時どんな顔見せてくれるかも、嬉しい時はどんななのかも、気持ち良がってる可愛いとこも、ほとんど。こんなことするのだって、去年以来なんだから」


　幸せすぎて泣きそうだ、と響が叫んだ。美人の類に入っても顔のパーツ一つ一つは愛らしさもある彼女の丸目は切なげに窄んで、唇を歪ませながらシーツをぎゅっと掴んでいる。その手にあたしは片手を重ねてキスを落とす。