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貴女に溺れて彷徨う
第5章 見返りという甘い汁
「泣かないでよ、響さん。これが奇跡なんて、悲しいじゃん。響さんとあたしが出逢ったのも当然で、あたしが響さんを気に入ってるのも当然なんだよ」
「あんっ……はァッ、でも……──私にと、って、莉世さんはそれくらい、近づけるかも分からなかった人で……アッ……あぁぁ……っっ」
どこに触れてもきっと泉門に差し響く響の身体こそ、まるで奇跡の産物だ。けれど奇跡というものは、不確かだ。あたしはその喪失に懲りてしまった。欲しいのは、きっと響をくるんでいるそれではない。彼女は、あたしがどれだけみなぎに求めても得られなかったものを、内包している。
「響さん……こっちのお口もすごい可愛い……さっきからいっぱいよだれ垂らしてるここで、あたしの指、咥えてね……」
前歯を覗かせた唇を塞いで、響の口内に再び舌を差し入れながら、彼女の潤みに指を沈める。するりとあたしを受け入れるそこは既にほぐれきっていて、すぐに指を増やしても、容易にそれらを飲み込んだ。忙しなく動く細い腰。ぐしょぐしょの内壁をこすって奥まで突き上げて、あたしは響がひときわ高らかに鳴く場所を探る。
こうも求められたことはなかった。交際した女がいたことはあったにしても、響ほど切実な想いを向けられた記憶はなかった気がする。彼女の明るさに、美への執心に、もしあたしがみなぎに惹かれていなければ、すぐにのめり込んだだろうか。