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貴女に溺れて彷徨う
第6章 苦みを消した実利の飴
翌朝、あたしは響に連絡した。みなぎ達を連れて出てきたことを相談すると、数日のシフトは何とかしておくという返信が、すぐに来た。
今後のことを考えるにしても、みなぎを奪う以外に考えられなかった頃とは違う。あたしには、彼女に別れを勧めることも出来ない。
稲本大雅のような男は、一晩帰らなかったみなぎ達に手を上げたり出来るほどの肝も据わっていないにしても、きっと今回のことで頭が冷やせるような人物でもない。
あゆみが学校へ出かけると、あたしはみなぎが顔をしかめるような洋服を提案しながら、自分の身支度も進めていった。
「やっぱ似合う!昔、急にEmili Temple Cuteに興味出ちゃった時、ひと目惚れでこのコーデ揃えたんだ。ラメ入りカーデにシフォンのリボン。薄手だからクーラー対策に今着ても全然いけるでしょ。それに、みなぎこれが合うと思った!エミキュのアルファベットとホイップなボーダーの柄のスカート。シフォン生地で可愛くない?膝が隠れるくらいっていうのも、落ち着いた感じでみなぎのイメージ!」
「未知の世界ね。何とも言えなくなってしまったけど、さっきのLIZ LISAより着やすいわ。有り難う」
「じゃ、座って。メイク持って来てないでしょ。ピンクコーデに合わせて、思いっきりピンクいメイクさせてもらうね」