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貴女に溺れて彷徨う
第6章 苦みを消した実利の飴
Tenue de bonheurのネイルがつややかに並んだ彼女の手を持ち上げて、指にキスする。うっとりと目を細めたひなたの唇を塞ぐと、角度を変えて、彼女からもキスを返してくる。あたしは舌を差し入れて、白珊瑚の並んだ蓋を開ける。無味なのに甘い口内をくすぐると、柔らかな喉がいじらしく鳴る。
「はぁっ、ァッ……はぁっ、んん……」
くちゅくちゅと唾液を絡ませる。次第に、理性がひなたとあたしを見放す。
非の打ちどころのない肉体美をもっていながら、それを虐めて欲しがるひなたのアンバランスさに、あたしは感動で鳥肌が立つ。
「んんぅ、莉世さんの、キス、イッ……ちゃうぅ……」
「また脱ぐー。ひなたって露出魔だよね。普通に変態だし」
「だってぇ、ぁん、脱いだ方が、ひぃのおっぱいよく見えますぅ…──アァンっ……」
たぷん、と盛り出た胸の先端を指で弾いた。
ひなたの場合、眠る時に楽だから下着をつけないのではなくて、眠るつもりがなくてそうしているのだ。
「はぁっ、はぁ……ぁっ……あ……んっ!んんぅっっ……」
皺だらけのコットンパールは指の腹でいじくる内に、いっそう硬さを増していく。
胸を掴んで麓を撫でて、触れるか触れないかの力加減で膨らみをなぞって、あたしはひなたに二度目の深いキスをする。
…──こうして塞いでいなければ、声、全然我慢出来ないんでしょ。