この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第1章 眠り姫は魔法で目覚める


 みなぎが悲観していただけあって、確かにあゆみは勉強が不得意そうだった。

 愛嬌があり人懐こく、みなぎは疎か、あたし以上に人付き合いも得意なんだろうけれど、母親に似ず難しいことを考えるのが苦手なタイプだ。神は万物を与えないという言葉を体現している。

 それにしても、こんな少女にも満たない女の子まで厚い教科書を担いで塾に通い、遊びたい盛りに過酷な受験勉強に打ち込んだ末、入学試験は志望者をふるいにかけるための難問題。そう思うと、中学受験とは滑稽だ。


「…──で、こういうこと。分かる?」

「何となく。塾の先生よりは分かりやすい。先生、早口で何言ってるか分かんないことあるもん。これで合ってる?」

「あ、そうそう。こっちは間違ってるけど、途中式は合ってるからここで計算ミスしたんだね」

「やった!」


 一時間前まで解けなかった問題を解けた時のあゆみは、星空のような笑顔で万歳をした。

 穢れを知らない澄んだ瞳、傷み一つない黒いツインテール。
 小学生は、さしずめもぎたての果実だ。いつからこのみずみずしさを、あたし達は失うのだろう。
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ