この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第1章 眠り姫は魔法で目覚める

 あたしがこんな奇行に走ったのは、孤独だからだ。
 恋人がいなくて十年以上経つ。このままでは、老後、誰にも気づかれずひっそりと息を引き取って、何日も経ってから発見される。焦って相談した睦の、結婚相談所へでも行けばという冗談から、あたしはマッチングアプリをダウンロードした。


「ァンっ……もぉ一回っ……、キスして……欲しいですぅ……」

「もう、甘えん坊さんだな」


 小鳥が啄み合うのとは格段に違う、恋人同士を気取ったみたいなキスの息遣いが耳に入っても、今のあたしがうっとりするのは優香からの返信だ。

 よそゆきの口調、適度に積極的で、適度に女をアピールした文体は、何だか特別感がある。


『では、次の土曜日正午に、◯◯駅東改札口でお待ちしています』

『優香さんに会えるのを楽しみにしてるね。分からなかったらメッセージちょうだい』

『はい。多分、Samanthaの花柄のバッグを持っていると思います』


 そんなブランド、男だったら見分けつかないんじゃないか。それか花柄で知ったかぶりを装えるのか。

 どうでも良いところに着眼して、あたしはスマホをバッグに仕舞った。
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ