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貴女に溺れて彷徨う
第2章 醜いものは塗り隠せばいい


「ハァッ……ひぃ、スタイル良くないですよぉ……?」

「いつも可愛い可愛いって自分で言ってるくせに」

「首から下は別ですぅ、たっ、食べちゃって……運動もサボってて……」

「今のひなたは、隙だらけなんだ?お人形みたいな子のそんなとこが見られるなんて、ツイてる!」

「ひゃっ……ぁっ、心の準備が……っ」


 このあと連れ込み宿へでも行くつもりだったのかと目を疑うランジェリーが、生きた芸術品同然の肢体を飾っていた。
 ベビードールがほとんど透けているのはまだ分かる。ブラジャーとパンティの上下まで、リボンやレースがふんだんにあしらってあって細部まで凝ったデザインにも関わらず、肌を隠す布の面積は極めて少ない。


「ひなたって、いつも勝負下着なの……?」

「──……」

「あたしとのデートに備えて……とか……?」

「うぅ……。意地悪言ったら、服着ますからぁっ!」


 こういう下着しか持っていないんじゃないか。いつも欲情しているのか。

 かまをかけると、ひなたはあたしを一人寝の副食にしていたことを白状した。

 仕事のあと、あたし達は夕食を共にしてから解散というのが日常的になっていた。そのため、彼女はどうせ目につかないとたかをくくって、あたしと就業時間の重なる日は大胆な下着を身につけて、想像上の視姦に脚と脚の間を疼かせていたらしい。
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