この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第2章 醜いものは塗り隠せばいい

* * * * * * *

 正午前、みなぎと駅で待ち合わせした。

 前に彼女が化粧させてくれなかった事情について、彼女自身がそうしたことに無関心だからではなかったのだと知り、あたしは溜飲を下げた。ひなたの元婚約者と言い、器の小さな男に限って、何故、女の自由に口を出すのか。

 かくてあたしは、夕方メイクオフして構わないからというのを条件に、二週間振りの欲求を満たした。


「わっ……」

「可愛いでしょ。急だったから、化粧直し用しか持ち合わせがなかったからね。ほとんどあたしとお揃いだよー?」

「ピンクすぎませんか……?大丈夫ですか?」

「イエローゴールドも入ってるじゃん。ピンクのアイカラーに目尻だけ黄色入れると、差し色効果で明るみ増すんだ。チークとリップは青みピンク。やばくない?可愛いでしょっ」


 類を見ない白いキャンバスを女神の偶像に仕上げると、あたしは彼女の後方に回り、手鏡を向けた。
 鏡越しに見る彼女はいつもの落ち着いた雰囲気とは一変して、ゆめかわいくさえある。本人は恥ずかしがっていたアイラインもしっかり入れて、もはや本物の人形だ。髪色の明るさも功を奏している。


「否定はしません。私のような地味な女が高垣さんとお揃いなのは、非常におこがましいですが……高垣さんの腕は認めます」

「硬っ苦しいなぁ。みなぎとあたしの仲じゃーん。食べたくなるほど可愛いのに」

「ひゃぁっ?!」
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ