この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第2章 醜いものは塗り隠せばいい


「女って、一生の内に、口紅三本は食べるんだって」

「前にも言っていましたね。本当ですか?」

「うーん、多分。とにかくネイルも大丈夫!食べちゃいたいほど可愛いんだから、むしろみなぎの一部なら爪でも髪でも身体に入れたい」


 さっき手鏡を握ってそうしていたのと同様に、あたしはみなぎの肩を抱いて、鏡に棲む彼女を覗く。


 みなぎの手が、私の片手に重なった。


「高垣さん、……」


 首を回し、顔を向けてきたみなぎの目に吸い寄せられるようにして、あたしは彼女に鼻先を近づける。
 無意識か目蓋を下ろした彼女の唇をキスで塞ぐ。ブルーラメの混じったピンク色の唇は、心ゆくまで口づけても、きっとキスの痕跡が残らない。何せあたしと揃いのグロスだ。


「んっ、んぅ」

「みなぎ、可愛い……やっぱり、みなぎのキスが一番好き……」

「上手いこと言って……そういうこと、陽キャは言い慣れてるんでしょ……?」

「陽キャじゃないって、何度、言わせるの……」


 触れるだけのキスを繰り返すみなぎとあたしは、まるで足りない言葉を補ってでもいるようだ。弾力を帯びた肩とあたしの腕に汗が滲む。唇の隙間をこぼれる吐息が、彼女の仄かな香りや熱を、あたしに伝える。

 あたしは先日の件を詫びた。気が弱くて臆病なのは、みなぎの処世術でもあって、彼女ほどにもなると強みだ。そういうところにも惹かれているのに。
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ