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貴女に溺れて彷徨う
第3章 不自由への憧憬
「そういうことだよね?さっきの人達。やっば……興味はないけどゾクっとしちゃった」
「ご主人様、女の子の胸、揉んでたよ。途中、お手洗い行っただろ。ローターとか仕込んだんじゃないかな。そのあとずっと、腰ひくひくさせてたもん。こっちからもろ見え」
「ここに来たのは、プレイの一環だったのね。私は興味あるかなぁ。あ、睦さん、下着はつけてそうだった?」
「そこまでは見てないな。ネコちゃん、結構好みの顔だったから、あんまり見たら仕事にならなくなる……」
「睦って面食いだよね。彼女いらないって言ってるくせに」
「莉世に言われたくないな。君には負ける」
「やった、勝った!」
こんな無邪気な会話を繰り広げていたあたし達は、とっくに好奇心やら劣情やらにあてられていたのだと思う。
客の一人は出会い系サイトにアクセスし、また別の客は恋人にLINEを打っていた。中にはノンケの客もいたが、彼女も男とそうしたことがしてみたいと言い出した。
あたしは果実酒を追加した。閉店時間まで居座ろうと決め込んだあたしに、睦は予定が空いている旨を暗に示した。