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貴女に溺れて彷徨う
第3章 不自由への憧憬


「んんっ」

「タチ寄りだと思ってたのに、莉世ってこっちの気もあったんだ?マゾっ気なくちゃ、友達の目の前で裸になって、こうにはならないよ」

「言葉攻めとか良いから……」

「ダーメ。やるからにはちゃんとやろ?ほら、結構いけるんじゃない?自分のいやらしい汁、美味そうに舐めな」

「エッチー……」


 この時点では、あたしの意欲はまだ遠ざかろうとしていなかった。むしろ今ので睦に追いついたかも知れない。

 くちゅくちゅと音を鳴らしながら、わざと淫靡に睦の指を舐め回す。指と指の間に舌を差し入れ、仕返しと言わんばかりにくすぐる。


「美味しかった?」

「……普通」

「美味しそうに、って言ったよね?」

「生憎、悪いネコだから」

「悪いネコはお仕置きだ」


 いかにもSMらしいシーンだ。あたしの誘導に見事に乗った睦は、ここからどのようにして、さっきの読書を活かすのか。

 半ば他人事の気分のあたしに、彼女は四つん這いになるよう命じた。


「さっき掬ったばかりなのに、また勝手にお漏らしして……」

「ぁっ……」


 フゥッ……と、潤みに息がかかった弾みに、あたしの腰がひとりでに撓る。


ペチン…………


 睦の手のひらがあたしの尻を叱咤した。
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