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一度くらい夢を見たら
第3章 巧みな言葉
ケーキを食べ終わった慎之介は
皿を通路側の端に置きテーブルにスペースをつくると、
バッグから手帳と眼鏡とペンを取り出し並べた。
眼鏡をかけた慎之介は、
中年男の色気がさらに増して見える。
男の顔をチラチラと見ながら
美奈枝もケーキを食べ終えた。
慎之介と同じようにテーブルの端に皿を置くと、
カラになった皿に気づいた店員がさげに来た。
2つの皿がなくなったことで
テーブルの上は広々とした。
そこへ掌より少し大きい手帳をひろげる。
「では、さっそくお伺いします」
はい、と美奈枝は背筋を伸ばした。