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一度くらい夢を見たら
第3章 巧みな言葉


「その辺の事情をもっと詳しく聞かせてもらえませんか?」


「でも・・」


「ただの興味じゃないですよ。

 男と女の心境や体の変化が

 セックスにどう影響するのか、そこを知ったうえで

 官能小説は完成させられるんです」




もっともらしい作家先生の意見は、

不安だとか恥ずかしさだとかを

じわりじわりと追い払ってくれた。

大きく息を吸って一気に吐いたら踏ん切りがついた。

こうなったら思いのすべてをぶちまけちゃおう!

美奈枝は顔をあげた。




「わかりました。
 
 こうなったら全部聞いてもらいます、私の愚痴を」


「はい、聞かせていただきますよ」



顔中の筋肉を緩めてにっこりと慎之介は笑う。

またもや成功、だな。

コイツもいただき・・


罠にかかったとも知らずに人妻は、

インタビューという入り口から

禁断の深みへと足を踏み入れてしまった・・


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