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一度くらい夢を見たら
第3章 巧みな言葉


「私たち夫婦は半年に一度しか・・

 してないの。40超えた頃はまだ

 2ヶ月に一度くらいはあったんですけどね、

 半ばを超えたら一気に減って・・今じゃ

 年2回ってわけです」


「へぇ、そうなんですか。失礼ですけど・・

 奥さんは今お幾つですか?」


「46歳です。主人も同い年。

 高校の同級生なんです、私たち」



追加で注文したアイスコーヒーの、

氷をストローでかき混ぜると涼やかな音が聞こえる。


久しぶりに話した、高校の同級生だったというなれそめ。

懐かしさに笑みを浮かべた。



「卒業して、25歳の時に初めてやった同窓会で

 意気投合して付き合うようになったの。

 結婚したのは27の時。

 来年で結婚20年だわ、早いなぁ」


「偶然だな、オレもかみさんと高校の同級生。

 でもこっちは・・5年前に離婚しました。

 オレは47だから、一つ上だね」


「じゃあうちの主人の言い分、

 蛍さんにはわかるのかしら」


「言い分って、どういう?」


「40超えたら・・元気なくなっちゃったんですって、

 あれが・・」


「あれって?」



わざとだろうとすぐにわかった。

慎之介の眼は確実に笑っていたから。

美奈枝の口からあれが何なのかを

言わせようとしているのが見え見えだった。



「わかってるんでしょう?

 こんなとこじゃ言えるわけないじゃないですか」


「だったら場所かえましょうか?

 これからもっと聞かれちゃまずい話が

 飛び出てくるんですもんね、でしょ?」


「え?でも、どこへ?」


「うちへ来ませんか、そのほうが

 心置きなくぶちまけられるでしょう?あなたの愚痴を。

 オレ一人暮らしだから気つかうことないし、

 ここから歩いて5分くらいです。いいでしょ?」




美奈枝の返事を待たずに

慎之介はバッグと伝票を手にして立ち上がろうとしている。

さぁ、と目で促がされると、

魔法にかかったみたいに

躊躇いが消えていった。

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