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一度くらい夢を見たら
第4章 夢の結末・・
この本屋は広くていい。
棚と棚の感覚も広いし、種類も豊富。
近所の小さな本屋ではおいていない、
目当ての雑誌もちゃんとある。
ここまでの4行では
まだ内容はつかめなかった。
前作のように、出だし2行でわかるような文章ではなかった。
さらに読み進める。
その雑誌とは、官能小説雑誌だった。
主婦の百合子は官能小説を読むことで
満たされない体を湿らせていた・・
・・え?なんかこれって・・
そんな中年女の後姿を、マコトは見逃さなかった。
こいつはいける・・
官能小説雑誌のヌード写真を見ているような女なら、
難なく落とせる・・
お、次に見ているのはオレの小説じゃないか。
マコトの書いた「濡れる」という小説を
女が読み始めたところで声をかけることにした・・
・・ちょっと!これってまさしく・・
あたしの事じゃないのよ!・・
そうなのだ。
まさしく、美奈枝と慎之介のやり取りが
モチーフになっている。
ここまで読んだだけでそれは十分にわかった。
これは立ち読みだけじゃすまないわ・・
この月刊官能を買って読むことにした。