この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第8章 慈しめば涙してⅡ

「あぁっ!」
内から押し上げられ、外から吸い上げられる感覚に身悶える。だが情けないことに、自分ではどこがどういいのか判断できない。こんなふうに、丁寧にほぐされるのは初めてだからだ。
そこを同時にされていることよりも、むしろ、彼の唸るような声を聞き、息遣いを感じ、大きく開いた自分の股の間にその美しい顔がうずめられていると思うほうが、よほど脳を感じさせた。
飽和状態の泉は、とどまることを知らずに愛液を湧きあがらせる。二本に増やされた彼の長い指が動くたびに、そこは耳を塞ぎたくなるような音を発した。
見なくともわかる。あとからあとから噴き出すように溢れる蜜が、シーツの色を濃くしていくさまを。
「ああっ、いやぁ……」
秘芯への強い刺激で達しそうになると、彼はそこから舌を離してしまう。しばらく蜜壺の中だけの刺激を続けたあと、また秘芯に舌を伸ばし、中と外を同時に愛撫する。それを繰り返されているうちに、なんとなく妙な感覚に襲われた。
「あぁ……もう、だめ……お願い……」
「まだだ」
低く囁かれ、思わずその指を締めあげた。顔を上げた彼が静かに笑う。
「俺の指を喰うなよ」
その言葉とは裏腹に、奥まで挿入された。手のひらと親指の付け根を、秘芯や恥丘に押し当てられる感覚がする。指を最奥に押しつけ、圧迫しながら手全体をグラインドされる。
「あっ……だ、めっ……」
逃れようと腰を浮かせるも、彼の片腕でしっかりと身体を抱かれてしまい、引き戻される。
「いや、あ……へん、なの」
「いいよ。そのまま」
「……っ、あ、あぁ……」
壁の中はおろか、意識さえも溶かされていく。ゆっくりと、寄せ波に誘われて、引き波にさらわれて……。
こんなの、知らない――と思った。
何度波に呑まれても、その先をせがんでも、彼はなかなか許してくれなかった。

