この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第8章 慈しめば涙してⅡ

快感の針が振りきれて、ついに全身が溶けてしまいそうになった頃、彼はようやくそれを許してくれた。
避妊具をまとった彼自身が、股の間に晒されている。霞む視界の中、涼子は黙ってその屹立を見つめた。
――こんなに大きいものが、私の中に……。
一瞬、はしたない考えが頭をよぎる。そんな淫らな言葉、素直に口に出してすべてをさらけ出せるような女を、この男は今までに何人見てきたのだろうか。ふと劣等感が胸に刺さり、不安になる。
「ん?」
その気持ちを察したのか、西嶋が顔を覗きこんできた。黙って視線を向けると、優しい笑みを返される。まるで瞳で会話しているかのように。心にひそかに芽生えた欲さえも、この男には透視されているに違いない。
そこに硬いものがあてがわれた瞬間、思考回路が切断され、全神経がそこに集中した。ゆっくりと中を押し開き、入ってくる熱い猛り。
「ああっ……」
「ん、大丈夫。力を抜いて」
苦しげに眉を寄せながら、西嶋は優しく囁き、頭を撫でてくれる。それだけで全身が悦びに震え、涙がにじんだ。
ぐ、ぐ、と蜜壺の内側を確認するように、彼が侵入してくる。自分の知らない秘密の場所が押し開かれていく。あれほどとろとろにしてくれたのに、それを上回る苦しいほどの圧迫感に満たされ、息が止まりそうだ。
奥まで来ると、ああ、と彼が艶やかな吐息を漏らした。初めて耳にするその喘ぎ声に、彼を受け入れたところがきゅんと反応する。
「……締まる」
短く吐かれた、低く抑揚のないかすれ声。彼の余裕のなさを証明しているのだろうか。視界に映るのは、欲望の色に染まった男の瞳。覆いかぶさってくるたくましい身体は、熱い。
まだ動かされてもいないのに、蜜壺はまた勝手に彼を締めつける。苦笑した彼が、強く抱きしめてきた。汗ばんだ互いの肌が隙間なく重なる。

