この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第2章 噂のバー店主

 しかし、女の次の一言が、男を混乱させた。

「誘うなんてそんな……違います!」
「え、違うの?」
「噂は聞いたけど、実際にお話ししてみたらそんな人じゃないってわかりました。だからもし、マスターさんさえよければ、私……」
「ちょっと待った。まさか、この人を本気で口説こうとしてる?」
「く、口説くとか、そんなんじゃ……」

 わかりやすく反応する女に、男は呆れたように笑う。

「図星か。だけどいくらマスターが超絶イケメンでも、惚れるの早すぎじゃない? この人、見た目は若いけど君よりだいぶ年上だよ」
「あ、年齢とか気にしないので」
「へえ。おじ専か」

 感心したように呟く男だったが、唐突に、あっ、と声をあげた。

「でも、君より俺のほうがマスターの好みに合うと思うよ。女の子は趣味じゃないみたいだから」

 女の視線が、景仁を突き刺した。赤く染まっていたはずの小さな顔は、みるみるうちに青ざめていく。
 なにもここまで追いつめなくてもいいだろうに、と半ば呆れながらも、景仁は妖艶な笑みを女へ向けた。

「ひっ……あ、あの、ごめんなさい。私、知らなくて」

 窒息しそうになりながらそれだけ言った女は、怯えたように帰り支度を始めた。それからはあっという間だった。女は震える手で会計を済ませ、突風のごとく店を出ていった。
 気の毒だが仕方ない。女のためだ。もう二度と、間違った恋心で容易にこの世界に足を踏み入れないように。

/429ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ