この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第3章 出会いは静かな夜に

 黒を基調としたシックな店内に、ブルーのバックライトがよく映える。漆黒のバーカウンターに、背もたれのついた脚長のバースツールが十席のみ。主張しすぎない音量でピアノジャズが流れる、こじんまりとした、しかし妙に落ち着く不思議な空間だ。
 カウンターの奥で一人佇む男は、美しく整った顔立ちに柔らかな微笑をたたえて待っている。今は客がいないようだし、佐伯が言った“会わせたい人”とはこの男のことだろうか。

 佐伯は、涼子を店の奥まで導くと、勝手に紹介を始めた。

「マスター。こちら、私のボディーガードをしてくれている涼子ちゃん」

 涼子ちゃん――その呼び名にはどういう反応をしたらいいか迷う。前回の警護で好感を持たれ、親しみを込めてそう呼ばれたというのはわかるが、やはり三十歳にもなると抵抗感がある。
 その気持ちはそっと胸の奥に仕舞い、こんばんは、と男に向けて挨拶すると、優しい笑みを返された。

「初めまして、西嶋です。どうぞこちらに」
「はい。失礼します」

 店奥の壁際から三番目の席には、すでに佐伯が優雅な動きで腰かけているところだった。彼女を挟むかたちで、壁に近い左側に涼子、右に藤堂が腰を下ろす。
 ようやく三人が席についたところで、低く上品な声が落とされた。

「さて。なににしますか」
「今日はあと一杯だけって決めてるの」
「では理香さんはいつものですね」
「そうね、お願い」
「私と東雲さんは、甘さひかえめなノンアルコールカクテルを」

 藤堂が続いて慣れた口調で注文すると、こら、と言って佐伯が口を尖らせた。

/429ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ