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琥珀色に染まるとき
第16章 青い薄闇に埋もれて

「もう閉めるの?」
「うん。ちょうどお客が引いたところだったし」
「いいの? クリスマスなのに」
「クリスマスに混むバーなんて、夜景の見えるところかイベントやってるところくらいだよ。ここはいつもどおり、いや、むしろいつもより暇だったからな」

 こちらに身体を向けて座る西嶋が両手を広げた。涼子は椅子から滑り降り、その腕の中へするりとおさまった。

「早くこうしたかった」

 背中を撫でながら耳元で囁かれ、脳が痺れる。優しい愛撫にも似たそれは、自然と唇から色めいた息を吐かせた。
 彼は少しだけ身体を離して視線を交わしたあと、深く優しいキスをくれた。塞がれた口内で小さな喘ぎ声を漏らすと、口づけは激しさを増す。

「ん……は、ぁ……」

 舌を絡め取られ、たまらず彼の首の後ろに腕を回し、その広い肩にすがりついた。静まりかえった店内に聞こえるのは、互いの唇から漏れる吐息と、湿った音だけ。
 とろけるような口づけの最中、ぐいと引き寄せられた腰。隙間なく密着した彼の身体は熱く、伝染した熱が下腹部の芯に切ない痛みをもたらす。

「待っ、て……」

 わずかに離れた唇の間から声を絞り出すも、それをかわすように角度を変えてキスされる。大きな手が腰から尻を撫で下していく。優しいその手は、ふくらみの形を確かめるように蠢く。

「あっ……んん」

 キスは深まり、唾液が絡まる。おそらくショーツはもう湿り気を帯びている。もし身にまとっているのがパンツスーツでなくスカートだったら、そのままストッキングを下げて直接触ってほしいと懇願してしまうかもしれない。

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