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琥珀色に染まるとき
第18章 白い靄の中に

ぴくりと反応を示した彼の分身を少しだけ強く包むと、悩ましいため息が吐かれた。
「ああ……涼子」
荒くなった呼気と名前を呼ぶ声に、衝動が加速する。表面の肌触りを確かめるように上下にこすれば、彼は苦しそうに眉間にしわを寄せ、妖艶に口角を上げた。
「かげ、ひとさ……っ、ぁん……」
すがるような気持ちで口にした名前を、キスで封じこまれた。露出したうなじを大きな手に掴まれたかと思えば、もう片方の手には左胸を揉みしだかれる。その少し乱暴な手つきに、反射的に彼の分身を握る力が強まった。
はっ、と短く吐かれる甘い息。深さを増す口づけ。口内が彼の唾液に侵されてしまえば、それは媚薬のように身体中を巡って正常な思考を奪う。
「ん、あ……景仁さっ」
涼子の頭には、ある行為が浮かんでいた。自らの体液が蜜壺からどろりと溢れるのを自覚した今、彼の指がそこに触れる前に行動に移さなければ。その長い指に一瞬でも触れられてしまったら、もうなにも考えられなくなる。
「……すわっ……そ、こ」
「ん?」
謎の要求に疑問を感じた西嶋は、そこでようやく唇を離した。
「そこに、座って」
彼の後ろにある、浴槽のふちの広いスペースに目をやってから、その瞳をじっと見つめる。これからなにをされるのか悟った瞳が戸惑いに揺れ、彼は困ったように微笑んだ。
「そんなことをしろと言ったわけじゃない」
「わかってる。……私が、したいの」
してもらうばかりは嫌だから、と小さな声で続ける。それでもなお腰を上げようとしない彼に少々の苛立ちを覚え、強引に唇を奪った。動揺する彼を無視して再び彼自身を握る。
「……っ、りょう、こ……」
あきらかに硬さと質量を増したそれを優しくしごけば、いつもと違う声色で名前を呼ばれる。答えるかわりに首筋に舌を這わせると、目の前にある喉仏が上下にぐりっと動いた。

