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琥珀色に染まるとき
第18章 白い靄の中に

 そうなっても構わない――そんな想いを込めた視線を送ると、お前がよくても俺が嫌なんだよ、とでも言いたげな苦い表情を返された。

「ほら、離せ。疲れただろ」

 頬に添えられた大きな手のひらが、口からそれを抜くように促す。たしかに彼の言うとおり、彼ほどの大きさを咥えて酷使した顎が痛みを訴えている。しかし、彼をこのまま最後まで“困らせたい”という女の欲が芽生えてしまった。
 ここまで涼子を乱したのは、ほかでもないこの男だ。彼に開花させられてしまった淫らな心は、はしたなく彼を求めてやまない。

 雄々しいそれを咥えたまま、鈴口を円を描くように舐める。そうしながら、唾液で濡れた棹を手でしごく。

「あっ、おい……っ、あぁ……」

 その不意打ちを食らった顔と、こらえきれずに漏れる喘ぎ声が、たまらなく色っぽい。それを見聞きするだけで身体の芯が疼き、蜜で潤っていくのを感じた。
 自ら下腹部を撫で下ろし、茂みの奥へ滑らせれば、湯の中でもはっきりとわかるくらいとろりと潤っていた。
 このまま指を入れてかき回したい――そんな衝動に駆られる。だが本当に挿れてほしいものは、口内でびくりと反応を示した彼の熱い猛りだ。早くこれが欲しい。欲しくて、欲しくて、たまらない。

「こら……やめ、ろ……」

 かすれた低音とともに、優しい手が頭を包む。ゆっくりと彼から引き離された。
 透明な糸を引きながら、ぐん、と元の位置に戻ったそれは勇ましく上を向き、唾液で艶かしく光っている。

「……欲しいの」

 無意識に口走って見上げれば、こちらを見下ろす彼が妖しく微笑む。

「俺も、早く欲しいよ」

 その穏やかな声色とは裏腹に、強く肩を掴まれて強引に立たされる。場所を入れ替わるようにして彼が湯船にざばっと浸かり、涼子は彼がいたところに座らされた。

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