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琥珀色に染まるとき
第18章 白い靄の中に

 湯の中から持ち上げられた脚を、ぐいと開かされる。

「やっ……」
「自分で触ってこうなったのか。いやらしい女だ」

 すでに濡れそぼっているそこを眺めながら囁いて、彼はこちらを見上げた。深い欲をまとった雄の視線に射抜かれる。

「ち、違う……」
「じゃあいつからこんなに濡れてたんだ。俺を咥えてるときか」

 わざと卑猥な言葉を投げられ、恥ずかしさに泣きたくなる。だがこんなふうに攻められるのは、いつもより積極的に彼を求める自分のせいだ。そんなことはわかっている。
 彼の言葉攻めでさらに溢れ出る蜜の感触も、はっきりとわかる。彼も、それに気づいている。

「なあ。自分でして見せて」

 だからこうして、意地悪な要求をしてくるのだ。力なく首を左右に振って抵抗するも、彼は艶やかな微笑みを返すだけで許してはくれない。
 足の先から滴るしずくが水面に落ち、かすかな音を立てる。静かに煽られる欲情……。
 涼子は、胸の上で握りしめている右手を、じわじわと下に滑らせていった。

「ん……っ」

 自らの指で触れた蕾は、今にも花開きそうなほどに膨れていた。ぬるりと潤った割れ目からすくった蜜を、芯に塗りつけるようにして円を描く。

「はっ、あぁ……」

 彼が、見ている。指が動くたびに鳴るいやらしい音を、彼が聞いている。

「あっ……あんまり、離れて見ないで」
「どうして」
「じっくり眺められるの……やだ」
「いつも隅々まで見られてるのに?」

 いつもより低い位置からかけられる声。見上げてくる無防備な微笑。
 その綺麗な瞳がとらえているのは、とめどなく愛液を垂らす秘部、ではなく、それを自分の指で苛め、よがる女の表情。彼が欲しているのは、羞恥と快感の狭間で徐々に自分を見失い、色香を放つ女の姿だ。

「……変態」
「褒め言葉だな」

 そう言って彼は口角を上げた。

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