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琥珀色に染まるとき
第18章 白い靄の中に

 だんだん上体が前に倒れていくと、両肩を掴まれ、背を反らされた。

「このほうが、いいだろ」

 分身の先端で最奥の入り口を無遠慮に突つかれながら、低く囁かれる。

「やっ、あ、あああんっ!」

 余計な考えを咎めるような激しい攻めと、あまりにも大きな自分の悲鳴に、思考が停止した。
 飽和状態の泉から噴き出る蜜が、互いの性器にまとわりつき、彼が動くたびに粘着質な音を奏でる。涼子、涼子、と耳元で呪文のように繰り返される声が、さらに絶頂へと意識を押し上げていった。

 鏡の中には、荒い呼吸を繰り返す男と女がいる。
 恥じらいに顔をそむければ、至近距離で綺麗な瞳が妖艶に揺れる。誘うようにつり上げられた口元が、やけにセクシーで。

「キス……して」

 涼子はたまらずねだり、目の前で薄く開かれた形の良い唇に自身のそれを寄せた。甘い吐息とともに、熱い舌が差し入れられる。正気など一滴残らず吸いつくされてしまいそうなその荒々しさも愛おしい。

「あ、んん……っ」

 やがて、強すぎるほどの快感が、立ちのぼる火柱のごとく全身を駆けめぐった。

「あああっ! も、だめ……っ」

「りょう、こ……っ、あぁ……!」

 二人で歓喜の声をあげ、後ろから隙間なく抱きしめられながら、もう一度深い口づけを交わす。互いのすべてで繋がっていたい。彼も同じ気持ちであってほしいと願う。

「んぁっ……かげひと、さっ……んっ、ああぁんっ!」

 重ねていた唇から溢れた絶頂の叫び。
 限界まで膨張した水風船が割れるように、意識の奥に蓄積していた欲望の塊が飛び散った。まるで感電したかのように硬直した身体をびくびくと震わせ、中にいる彼を締めあげる。

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