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琥珀色に染まるとき
第18章 白い靄の中に

「……ぅ、あぁっ……」

 追いこむように腰を打ちつけていた彼が、続いて呻き声を発した。それと同時に蜜壺から分身を引き抜こうとする。

「い、やっ……」

 後ろに動いた彼の腰に思わず手を添え、涼子はそう口走っていた。

「……っ、涼子?」

 大きく見開かれたその目を見つめる。すると、その驚きの表情が極上の笑顔に変わり、しかしそれはすぐに色っぽく歪んだ。
 その瞬間、苦しそうな喘ぎとともに、中で彼が何度も脈打った。

「あっ……」

 彼を包む涼子もそのたびに応え、注ぎこまれる彼の一部を自らの奥へと受け容れた。


 麻酔のような恍惚感に満たされて脚に力が入らない。今にも崩れ落ちそうな身体を彼の胸板にうずめれば、たくましい腕に支えられた。背中には彼の速い鼓動を感じる。
 しばらくして抜き取られた、それ。蜜口から、どろり、と内ももを伝い落ちる熱い液体の感触を、薄れる意識の途中で自覚した。

「景仁さん……」

 鏡面に映る愛しい人を見つめながらその名を口にすると、彼はどこまでも優しい笑みを返してくれた。白く霞む視界の中にその光景を認めたあと、涼子は彼の腕に抱かれながら意識を手放した。


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