この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第19章 面影との再会

「そちらの方は……」

 一瞬、涼子に射るような視線を向けてから、実耶はこちらを見た。

「お兄さんの彼女?」
「ああ」

 平静を装って一言返すと、実耶が取り繕った笑みを涼子に送る。

「はじめまして。朝比奈実耶です」
「……っ」
「姉のお知り合いなんですか?」
「実耶。彼女は」

 景仁が言いかけたとき、隣で涼子が息を吸った。彼女が実耶に返したのは、イエスでも、ノーでもなかった。

「ごめんなさい……」
「え?」

 寒空の下、実耶は怪訝な表情で立ちつくしていたが、ふとなにかを思いついた顔をした。

「ちょっと待って。彼女さん、お名前は?」

 沈黙が流れる中、風の音だけが無遠慮に通り過ぎていく。そのとき、どこからともなく飛んできた枯れ葉が、実耶の足元にかさりと落ちた。しゃがみこんだ実耶がその葉を拾い、そのままの姿勢で言った。

「お姉ちゃんと一緒に襲われた人、涼子って名前なのよ」

 立ち上がった実耶がその手から枯れ葉を離すと、地面に落とされたそれは、再び風に吹かれてかさかさと音を立てた。

「ねえ、あなた。名前を教えて。……ねえ」
「東雲、涼子です」

 涼子は震える声で言った。彼女を見上げる実耶の、厚手のマフラーからこぼれた栗色の髪が風になびく。

「……そう。あなた、やっぱりそうなんだ」

 その哀しげな視線が、景仁をとらえた。

「お兄さん、なんで? なんでこの人と一緒にいるの?」
「実耶……」
「なんで今さら、お兄さんの前に現れたのよ。お姉ちゃんの人生を奪っておいて、今まで一度だって顔を見せなかったくせに、お兄さんまで奪うの?」

 涼子が唇を噛みしめる。なにかを言い返すことも許されず、ただひたすらに耐えている。

/429ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ