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琥珀色に染まるとき
第4章 虚しい戯れのあとは

 下の口にぬぷりと中指を埋めこむと、貪るように容易に呑み込まれた。上の口と同じように、指をもう一本増やす。
 はしたなくよがる女の声が、空気を裂き、耳にこびりついてくる。
 探るように肉襞を押し広げ、ある場所に到達すると指の関節を曲げる。中の壁を押し上げながら、表に剥き出ている艶やかな蕾を再び舌で執拗に攻める。それぞれを長い二本の指で塞がれた上下の口からは、いやらしいよだれが溢れて止まらない。

「んんっ……う、ああぅ」

 指を咥えたまま呻き声をあげる女が、快楽におかされるまま指を噛んできた。別に痛くはないが、そろそろ離してくれてもいいだろう。
 下の蜜口を侵す二本指は、動きこそ激しくないものの、淡々と的確な場所を圧し続ける。

「ああん、だめっ……またっ……いっくぅ!」

 女は小さな痙攣を繰り返しながら、やがて足先を反らし、激しく絶頂へと昇っていく。充血して腫れ上がった秘芯を唇で強く吸ってやると、女は大きく痙攣してあっけなく果てた。
 泉から淫水を噴き出しながらびくびくと全身を震わせたあと、荒い息遣いの中で涙のにじんだ目を向けてくる。その視線が求めているものは、たった一つ――。

 景仁の心の奥底には、うんざりした気分がくすぶっていた。しかし、これはあくまで互いの合意のうえに成り立った関係である。受け入れたのは自分自身だし、こんなものはいつもと変わらない“日常”の一部だ。だったら、ふだんなら感じるはずのないこの虚しさと嫌悪感はいったいなんなのか。
 思わず口元に薄い笑みを浮かべると、それを見た女の喉がごくりと音を立てた。恋人ごっこはもう終わりだと悟ったのだろう。

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