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琥珀色に染まるとき
第23章 いつか無色透明の愛が

「あっ」

 ガウンの前が開き、素肌が露わになった。
 大きな両手が尻のふくらみを揉みしだく。官能的な触れ方で。下からは、円を描くような動きでゆっくりと腰を突き上げられる。

「やっ、ん……」

 激しい情事を思わせるその行為。互いの下着越しに熱いものを感じる。彼の肩にしがみついて昂まる色欲を抑えようとするも、甘い声は勝手に漏れる。

「あ、んん……」
「もう諦めろ」

 熱を帯びた低音にすべてをさらわれてしまった。導かれるように自らその口元にすり寄ると、後頭部を掴まれすぐに唇を塞がれた。
 指で耳たぶをやわくこすられながら交わす優しい口づけが、あっという間に身体の芯を疼かせる。彼はそこから首筋をするりとなぞり、鎖骨を撫で、肩を掴む。その熱い手が、奥底にひそむ欲を呼び起こす。

「は、ん……っ」

 身体を横に倒され、ベッドに押しつけられた。彼が覆いかぶさってくる。

「ね……今日は、最後まで前でして」
「バックだとお前、ものすごい声出るもんな」
「違う。そうじゃなくて」
「なんだ」
「あなたの顔が見えないと、今は怖いかもしれないから……」

 一瞬切なげに眉を寄せた彼は、わかったよ、と甘く囁いた。そのまま深くなるキスを期待して、その広い背中に手をまわす。しかし、彼は唇が触れ合う寸前で動きを止めると、しっかりと目を合わせて言った。

「今日はやめておくか」
「…………」

 だが、無言で見つめ返すことの意味を知っている彼は、静かに微笑み、唇を薄く開いた。

「涼子……」

 低いかすれ声のあと、熱い吐息とともにゆっくりと重ねられた柔らかな唇。

「あ、んん……」

 何度も音を立て、濡れた舌が絡み合う。たくましい身体に強くしがみつけば、それに応えるように抱き返され、口づけは激しくなる。もう離さない――まるでそう叫んでいるように。

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