この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
琥珀色に染まるとき
第24章 THE NEARNESS OF YOU

「お前が嫌がっても放さないぞ。もう独りにしないと言ったはずだろう」

 真耶の墓の前でそう誓ったのだ。揺らぐことはない。

「だから、もうどこにも行かないでくれよ」

 涼子の小さな嗚咽と熱い吐息が、心に浸透していく。隙間なく身体を密着させるまで強く抱き寄せると、互いの鼓動が全身に響き渡るようだった。生きていることを主張するように、どくん、どくん、と脈打つ。

「涼子」

 朱に染まる濡れた頬にそっと手のひらを添え、そのまま後頭部に差し入れて引き寄せる。彼女の目から絶え間なく流れ出るそれが、悦びの涙であることを願って。

「そばにいてくれ。頼む」
「んっ、ふ……」

 くしゃくしゃに歪んだその愛しい顔にいくつものキスを落とし、震える唇にも深く静かな慈しみを与えた。そうして長い口づけから解放してやると、彼女は涙に濡れる頬をゆるめ、ふわりと柔らかに目尻を下げた。
 それは、初めて肌を重ねた夜、景仁の孤独の壁を打ち破った笑み。

「涼子……」

 濡れたまつげの奥にあるそのかげりなき瞳の中にはきっと、情けなく微笑む男の顔が映っているに違いない。彼女の肌から漂い始めた甘い色香に酔いながら、景仁はそう思った。
 そして、心に誓った。この瞬間に見た彼女の笑顔を、心に抱いた想いを、生涯守り抜こうと。

/429ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ