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琥珀色に染まるとき
第24章 THE NEARNESS OF YOU

 その言葉に、ぱっと表情を変えた涼子が見上げてくる。

「ねえ。カリラだって」
「ああ、すごいな」
「うん。早く見たいわ……」

 興奮しているのか、涼子は少し頬を赤らめて妙に艶っぽくつぶやいた。また彼女の新たな表情を発見し、景仁は一人ほくそ笑む。

 そのあとも、製造工程のとおりに見学して回った。糖化の次は発酵だ。
 ボウモア蒸溜所で使用されている数基のウォッシュバック――発酵槽は、今では主流の清掃が容易なステンレス製ではなく、木製である。木桶は管理が難しいものの優れた保温性を有し、乳酸菌の繁殖を助けることで、ウイスキーに独特の風味を与えることができる。ここでもボウモアの伝統的なこだわりを窺い知ることができた。

 ここまでの工程はビール造りと似ているが、異なるのはここからだ。発酵槽で作られたアルコール成分を含んだもろみを、銅製のポットスチル――単式蒸溜釜で二回蒸溜する。いわば、大きな“やかん”でもろみを加熱、気化したアルコール蒸気を冷やして再び液体にし、濃度を高めるという工程である。
 一同は、蒸溜所の心臓部となる蒸溜室に入った。アルコールや油っぽさなどが入り混じった匂いと、熱気が漂う、なんとも異様な空間に、それは待っていた。赤銅色に輝く、独特のかぶと型をした、首の長い大きな設備がずらりと並ぶ。
 ボウモアのポットスチルは四基。シンプルなストレートヘッド型が印象的だ。二基の初溜釜――ウォッシュスチルに、二基の再溜釜――スピリットスチル。初溜釜のほうがひとまわり大きい。

 良質のウイスキーを作るため、再溜して不純物や有害な物質を分離し、純粋なスピリッツのみを確保する。こうして、度数六十パーセント以上の高いアルコールを含有し、ウイスキーのDNAを持った無色透明の液体が生まれる。

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